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2015.11.08-09 日肝協・第25回全国交流のつどい 医療費助成の拡大など実現へ130人が集う

category : 日肝協, 活動報告 2015.11.23 

日肝協・第25回全国交流のつどい・代表者会議

医療費助成の拡大など実現へ130人が集う

開会式・厚労省林肝炎対策推進室長挨拶(15/11/08国労大阪会館) 11月8日~9日、国労大阪会館・リバーサイドホテル(大阪市北区)で、当会が開催県としてお世話し日本肝臓病患者団体協議会第25回全国交流のつどい・代表者会議が開催されました。全国から25患者団体130名余が参加しました。

 
 
 

開会式・分科会

 初日には開会式・分科会・夕食懇親会が行われました。開会式では、来賓として、厚労省肝炎対策室の林室長が厚労省の肝炎対策について詳しく説明されました。また、日本肝臓学会を代表して大阪大学の竹原教授が挨拶をかねた肝炎治療のトピックスを話されました。つづいて大阪府健康づくり課諸富課長からも挨拶がありました。国会議員から各政党と与党肝炎対策推進議員連盟から歓迎・連帯のあいさつがされました。(来賓一覧は表1)一般社団法人日本難病疾病団体協議会、全国B型肝炎訴訟原告団、薬害肝炎訴訟原告団からもメッセージが届けられました。

表1.来賓の方々         
・厚労省健康局疾病対策課 肝炎対策推進室長 林俊宏氏
・大阪府:健康医療部健康づくり課 課長 諸冨伸夫氏
・日本肝臓学会理事大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学教授 竹原徹郎氏
・自民党 衆議院 とかしきなおみ議員 
・肝炎対策推進議員連盟 自民党衆議院 大串正樹議員
・民主党 参議院 尾立源幸議員 
・公明党 衆議院 樋口尚也議員
・共産党 衆議院 堀内照文議員 

分科会では、
  ① 肝炎対策の推進 
  ② 患者会の運営、あり方 
  ③ これからの肝臓病対策と患者会
の3つのテーマで開催しました。

 ①肝炎対策では、30人が参加し、厚労省肝炎対策推進協議会の現状と今後の課題・国の肝炎対策予算、与党による肝炎対策推進議員連盟の現状が報告されました。秋田・千葉・長野・大阪などから患者会が自治体に対して行っている活動状況についての報告がされました。

 ②患者会活動では、36人が参加し、秋田、埼玉、長野、大阪、備後から活動報告がされ、患者会が抱える問題などについて参加者とディスカッションが行われました。最後に、C型肝炎インターフェロンフリー治療薬の抱える問題についても情報交換が行われました。

第二分科会(15/11/08国労大阪会館) ③これからの肝臓病対策では、40人が参加し、基本講演を京都府立医科大学附属病院消化器内科・脂肪肝外来を担当しておられる角田圭雄先生に行っていただき、ディスカッションが行われました。先生からは、B型・C型肝炎治療の最新情報と今後の展望、脂肪肝炎の診断、肝発がん対策などついて説明を受けました。

 ハーボニーによる副作用中止例と医療費助成の範囲、NASHとNAFLDの違いと予防・治療、重症肝臓病に対する対策、難病医療法と肝臓病患者会活動などについて、質疑応答されました。

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懇親会

 夜は、夕食懇親会が開かれ88人が参加しました。がん患者などで作られている「コーラスグループ虹」のオープニングコーラスで開会しました。肝がん患者の方も元気にうたっていました。各県参加患者会の紹介を兼ねた自己アピールもあり、秋田からの参加者は衣装を着替えて民謡と踊りも披露されました。

第25回代表者会議・全体集会

 2日目(9日)は、代表者会議が開かれ、活動報告、決算報告、次年度活動案、予算案、役員などがすべて採択されました。代表者会議の後、全体集会が行われ、分科会の報告、大阪アピールの提案が行われました。私たち肝炎患者にとって現在は、
  ① 肝炎ウイルス検診・受診率向上対策の拡充 
  ② 肝硬変・肝がん患者への医療費助成 
  ③ 肝機能障がい認定基準の緩和 
が最大の課題になっています。その実現に向けて、おおさかアピールが採択され、閉幕しました。来年は長野市で10月に開催されます。
 
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日本肝臓病患者団体協議会 第25回全国交流のつどい代表者会議

おおさかアピール 2015

 日本肝臓病患者団体協議会(日肝協)の「第25回全国交流のつどい・代表者会議」は、全国から25団体130名が参加し開催されました。
 
 2011年8月(第177回国会)に両院で採択された「肝硬変・肝がん患者等の療養支援の推進」の請願内容を進め、私たちの願い実現のために自民・公明与党による「肝炎対策推進議員連盟」が設立されました。また厚生労働省では「肝臓機能障害の認定基準に関する検討会」で肝機能障害の認定基準の見直しでチャイルドピュー分類Bまで緩和することが提案されています。

image44 本年5月21日、189通常国会に「肝硬変・肝がん患者の療養支援の推進を求める請願」を、全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団及び薬害肝炎全国原告団・弁護団の協力を得て、全国から200余名が国会に参集し10万余筆の署名簿を議員に託しました。この院内集会には与野党の議員の方々が激励に駆けつけてくださいました。私たちの請願は、9月25日に参議院で採択されましたが衆議院では採択されませんでした。

 第4回世界・日本肝炎デーフォーラムを7月26日に全電通会館ホールで開催しました。400人が参加し、与野党国会議員の方々から「肝炎対策の拡充」などについてごあいさつをいただきました。また、世界肝炎デーに合わせ全国各地で啓発活動が取り組まれました。

 治療法では、C型肝炎においてはインターフェロンフリーによる治療が第一選択肢とされ、治療効果が高い薬剤も医療費助成の対象となりました。B型肝炎では、核酸アナログ製剤の投与を止める基準が示され、研究分野でもウイルスを排除する薬剤や治療法の開発にも積極的な予算措置がはかられました。

 本年1月に「難病新法」が施行され、指定難病が306疾患に、児童福祉法の改正で小児慢性特定疾病対象疾病が706疾患まで順次拡大され、自己免疫や代謝性肝疾患にまで医療費助成と福祉サービス・治療研究の対象が拡大されました。

 このように私達が要望している肝疾患対策は、一歩ずつ前進しています。一方では、消費税10%への準備がおこなわれ、「医療と介護総合確保法」が施行、「患者申出療養」制度が始まろうとしており、我々を取り巻く医療環境は厳しい現実に直面しています。

 私たちは、今後も世界・日本肝炎デー(7/28)には、各地で自治体や医療機関などに働きかけて、「知って肝炎」キャンペーンを広げ、肝炎ウイルス検診の一層の普及と、どこでもすべてのウイルス肝炎患者が最新医療を受けられるよう取り組まなければなりません。

 本年9月にWHOと世界肝炎アライアンスの共催で、スコットランドにおいて第1回世界肝炎サミットが98か国の参加で開催されました。日肝協も招待を受け、日本での40年にわたって粘り強く肝炎患者への社会的支援を求めた活動とその獲得のとりくみを紹介し、世界の肝炎患者・研究者との連帯の端緒を築きました。

 これからも全国の患者会・患者家族と連帯し、広く国民の支援を得て「医療費助成の拡大」と身体障がい者認定基準の緩和をめざして活動しましょう。

 来年の長野でのつどいでは、成果を持ち寄り全国の療養中のなかまを励ましましょう。
 

2015年11月9日

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