日肝協、「第29回国会要請行動、院内集会」報告
5月28日(火)、衆議院第一議員会館、大会議室において、29回目となる日肝協主催、国会要請行動、院内決起集会が行われました。全国から日肝協、B型肝炎訴訟原告団、薬害肝炎全国原告団、総勢180名が参加、会場は熱気で一杯になりました。
厚労省肝炎対策推進室大場室長をはじめ、与党肝炎対策推進議連の尾辻議員、桝屋議員、福岡議員、江田議員をはじめ、衆参の厚生労働委員を務める議員18名が会場に駆けつけ、昨年12月よりスタートした新たな医療費助成制度について、現状把握をしっかり進めること、その結果、制度対象条件等の緩和を検討すべきであることなど、私たちと同じ思いを訴えられました。午後は、衆参厚生労働議員を訪問、請願署名を提出、患者の願いを実現してほしい旨、お願いしました。
東京肝臓友の会の会員の皆さんからの署名も含め、全国から集まった署名は64,000筆に及びました。署名活動、募金のご協力、誠にありがとうございました!
2019年5月28日
ウイルス性の肝がん・重度肝硬変患者の支援と
治療薬開発、肝炎ウイルス検診促進を求める請願書
請願団体 日本肝臓病患者団体協議会
請願項目と請願の理由
1.新たに始まったウイルス性の肝がん・重度肝硬変患者に対する医療費助成の実態調査を実施し、その結果をふまえて拡充を検討して下さい。
平成21年12月に成立した肝炎対策基本法の前文に「B型肝炎及びC型肝炎に係るウイルスへの感染については、国の責めに帰すべき事由によりもたらされ、またはその原因が解明されていなかったことによりもたらされたものがある。」と記載されているように、多くの感染者は過去の血液行政や医療行政の不具合により感染し発症しています。
厚生労働省が平成29年3月に発表した『B型・C型肝炎による肝硬変・肝がん患者における医療費等の実態調査』では、平成27年時点で病院に通っているウイルス性肝臓病の患者数は65万人、その内、重い肝硬変患者数は4.3万人、肝がん患者数は10.3万人です。この様に15万人が重いウイルス性肝臓病で苦しんでいます。
関係者のご支援とご尽力により、平成30年12月から肝がん・重度肝硬変患者に医療費助成が実施されました。重症者の支援を長らく望んできましたので、大変感謝をしています。しかし助成の条件に該当する推定人数は7~8千名程度で、病状が大変重い多くの方は療養病床におられ、私達の周りには殆ど見当たりません。多くの肝がん・重度肝硬変患者が安心をして治療でき社会復帰できるよう、新たな医療費助成の実態調査を実施し、その結果をふまえて対象者の拡充を検討して下さい。
2.肝がん・重度肝硬変の治療薬・治療法の開発と適用をいっそう促進して下さい。
肝がんに対する分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤、再発抑制薬等の開発や粒子線治療等の新しい治療法の適用、また現在対症療法に限られている重度肝硬変に対し根本治療薬の開発と適用をいっそう促進して下さい。
3.B型肝炎ウイルスを排除する治療薬の開発と適用をいっそう促進して下さい。
B型肝炎はウイルスを排除出来る薬がまだありません。肝炎ウイルスが排除されない限り、常に肝がん発症の危険性から免れることが出来ません。治療薬の開発と適用をいっそう促進して下さい。
4. 潜在する感染者の検診と陽性者を受診・受療に結びつける施策をいっそう促進して下さい。
B型肝炎もC型肝炎も効果が高くかつ副作用のない治療薬が開発されています。しかしまだ肝炎ウイルス感染を知らない潜在キャリア、感染を知りながら継続的に受診をしていないキャリアがいます。潜在する感染者や受診・受療に結びついていない陽性者を掘り起し、受検・受診・受療に結びつけていくことが大切です。効果的なウイルス検診の実施と、妊婦検診陽性者のフォローアップ制度創設など陽性者の受診・受療をいっそう促進して下さい。
以上から、私達は下記の請願を致します。
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